日本に一時帰国して感じる不安感について正直に話そうと思う

久しぶりに日本に帰ってきて俺が感じたことは居心地の悪さだった。最初その居心地の悪さの原因は、俺が長期間台湾で生活していたからだと思ったけど、どうも違うみたいだ。



例えば普通、旅をするのが大変な国で過酷な移動の連続で心身ともにヘトヘトになりながら帰国していたら、きっと日本に帰ってきたときに「安心感」だったり「やっぱ日本いいな〜最高だな」って気持ちになると思う。


俺は日本に帰る前に居心地の良い台湾(しかも彼女の家)にいたから、そういう過酷な旅から解放された時に感じる安心感みたいなものを感じられていないだけで、それが原因で居心地が悪いと感じるだけだと思ったのだ。


けれども日本に帰ってきてしばらくして、その「居心地の悪さ」や、もやもやと感じる「不安感」みたいなものの正体がなんとなく掴めてきたような気がするが、どうも俺の場合は違うみたいだ




日本に帰ることで現実に戻される


帰国してから何人かの仲の良い友人に会った。


彼らは小学生の同級生であったり、大学の同期であったり、働いていた時の同僚であったりと様々。


彼らに共通していることは、みな「先に進んでいる」ということ。先に進むというのがどういう定義なのかは分からないが、とりあえず先へ進んでいるなと俺は感じたのだ。


結婚して子供を授かり家を購入した友人がいたり、働いていた動物病院を辞め更なる高みを目指す(獣医として)友人がいたりと。みな真っ当に実直に進むべき道を進んでいるなという気がした。


「じゃあ俺はどうなの?」


正直なところ宙ぶらりんだ。獣医師免許を持っているとはいえ、無職で好きなことをやってるだけ。彼らから見たらかなり奇異な存在にちがいない(実際みなからそう言われる)



仕事を辞めて旅に出たことに1mmも後悔はしていないけれど、仕事を辞めずに普通にみなと同じように働き続けていたら、今も社会的に認められているだろうし、獣医としてもまた成長していて、きっと長い事付き合っていた彼女と結婚して、日本で一般的に言われている「幸せ」というものを掴んでいったんだろうと思ってしまった自分がいた。



こういうことは海外にいた時はほとんど考えなかったが、やはり日本に戻ってくると現実に戻されると強く感じたのだ





日本に帰らない旅人


「でも、旅が終わったらまた(普通に、獣医師として)働くんでしょ?」


と周囲の人には思われているけれども、俺自身、現在のところそういう気持ちはすでに無い。



もし旅が終わって、また普通に獣医師として働くつもりなら、きっと今俺が感じている「不安感」とか「居心地の悪さ」とかは感じないだろうと思う。


猶予期間が終わればまた「元の場所に戻る」ならば、その覚悟があるならば、今は一時的な猶予期間なだけで、きっと元の場所に戻る事が一番居心地がいいのだろう。



実際に多くの日本人の旅人に会ってきて感じたけれど、そういう人がほとんどだと思う。世界一周を1年くらいで切り上げて職場復帰する予定の人。そして、そういう人はほぼ例外なく予定通りの期間とルートで旅を終え、日本での職場に復帰している。


でも例外もいて、俺みたいな考えの人もいる。


そういう人にとっては日本という国は居心地が悪いのではないだろうか。日本という国を否定するつもりは毛頭無いけれども。


日本にいた時に感じていた実態の掴めない「居心地の悪さ」や「違和感」といったものが旅をする事で実態化し、もはや日本での当たり前に戻れなくなってしまう。


日本での当たり前の水準が高すぎるのも理由の一つなのかもしれない。



更に感じたのは、同様の考えの人間は旅を終えて日本に戻ることに恐怖を感じるようになること。日本に帰って「現実に戻らざるをえない状況になってしまうこと」に怯えることだ。


なぜ怯えたり怖がったりするのか考えてみたが、おそらくまた日本で仕事を始めた際にぶちあたる「職場のストレス」が大きな原因じゃないかと思う。


海外を一人で放浪し続ける人間の多くは、自己中でコミュニケーション能力が低かったり、自由を束縛されることを過度に嫌う傾向があったりと、おそらくは職場で過度にストレスを感じる傾向があるように感じた。


そしてそういう人の多くは日本で普通に暮らすことに、なにかしらの違和感を感じている人が多かった。


そういうタイプの旅人は、貯金を食いつぶすまで海外放浪を続ける。


体裁を気にしない人は次第に音信不通になっていき、逆に体裁を気にする人は旅してる感を周囲に出す。



旅をしている限り、旅人感を出している限り、周囲の目は「あいつは世界を旅している」という目で見るため、そういう体裁を気にする人は「無職で海外で遊び続けている」というレッテルを貼られないようにする。無意識のうちにガードを張る。そんな気がする。


体裁を気にしない人はいつまでも海外放浪している事を周囲にバレるのを避けるために、存在感を次第に消していく。



そしてそのような旅人が貯金尽きた場合、二つのどちらかの道に進むのでは無いかと思う。



一つは考えを改め日本で暮らすために日本での当たり前を享受し、再び元の生活に復帰する道。


もう一つは日本で短期的に働いてお金を稼ぎ、物価の極端に低いところに飛び、そのお金を切り崩しながらギリギリの生活を送るという道。短期的でなくても正社員として組織に属する事を嫌ったり、他国に飛ばなくても低家賃で生活できるような田舎で暮らすようになったり。



インドでそういう日本人に何人か会った。そのうちの一人の男性は日本で肉体労働で稼いでは半年程インドに行きというのを繰り返していると言っていた。もう40近い人で、昔は都内の大手通信会社でバリバリ働いていたそうだ。


あの時は分からなかったけれど、今は彼らの気持ちがなんとなく分かる



きっと彼らもそういう日本の当たり前に馴染めなくなったんだろうなと。




海外で暮らせばいいじゃんという考え方の落とし穴


今ではネットさえあればどこにいたってお金を稼げる時代だから「じゃあ海外で生きればいいじゃん」って思うかもしれない。


けれども、そのようにして自由に海外で生きれる人というのは、実際はほんの一握りの人だと思う。何か特別な才能がある人で特別努力する人だけだと思う。


結局そういうのを夢見て失敗し、いつか現実に戻される人がほとんどだろうし、これからはもっと増えていくと思う。


俺はどっちなんだろうか。最後は現実に戻されるのか、己の理想を実現できるのか。ただあまり日本に長居すると、この「不安感」にじわじわ押しつぶされそうなので早めに日本を出ようと思う。


こういう考え方をするのもまた、日本にいる事で日本の当たり前に早くも染まり始めたせいかもしれない。





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プロフィール

俺旅

Author:俺旅

・2015年に仕事を辞め旅を始める
・旅歴2年
・現在海外を転々としながら生活中
・文章書くのが好きです

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